空港に着陸する飛行機

10月14日インドネシアのルフット海事・投資担当調整相は、10月14日よりインドネシア・バリ島の国際線就航を許可する方針を発表。
これにより、条件付きではありますが、海外から直接バリ島への渡航が可能となります。
バリ島の国際線運航再開を報じた記事はこちら>>日本経済新聞

この記事では、予想されるバリ島への渡航便や渡航に際しての条件、必要書類などについてご紹介します。

国際線運航再開といっても、まだまだ条件が多くあり、気軽に観光というわけにはいきません。
しかし、これは大きな一歩であり、今後のバリ島観光復活の布石となるものでしょう。

本記事は2021年10月05日現在の状況をもとに作成されています。
状況によっては規制などが変更されることがありますのでご承知ください。

就航再開が予想される航空便

日本から唯一バリ島に直行便を運航しているガルーダインドネシア航空
バリ島の国際線閉鎖により長い間、就航は運休となっていました。
この運航再開により、すぐにでも直行便再開か?と期待は膨らみますが、残念ながら当面は直行便運航はなさそうです。

ガルーダインドネシア航空のサイトを見ますと、成田~デンパサール、関空~デンパサールの直行便は10月31日まで運休となっています。
また、11月以降の計画も今のところサイト上では明確に発表されていません。
バリ島の国際線が再開されても、まだ日本側での入国規制などが続いているため、十分な乗客が見込めないという判断があると思います。
現時点で、ガルーダインドネシア航空を使っての渡航は、ジャカルタ経由となります。

その他の航空会社で就航が期待されるのはシンガポールエアラインになるでしょう。
一時期、シンガポールはトランジットでも外国人の到着は禁止されていました。
しかし、先月トランジット目的で空港から出ない(入国しない)のであれば外国人の空港利用を許可するようになりました。

すでに日本~シンガポールの定期便は就航していますので、シンガポール経由でのバリ島渡航の可能性は大きいと思われます。

バリ島渡航の条件

バリ島の国際線運航が再開されたといっても、渡航するにはまだ以下のような条件があります。

  • 有効な訪問ビザもしくはITAS,ITAPを所持していること
  • 規定回数のコロナウィルスワクチン接種済みであること
  • 出発72時間以内に検体採取したPCR陰性証明書を所有していること
  • 入国時に空港でPCR検査を受ける事
  • 入国後政府指定の宿泊施設にて8日間の隔離滞在を行い、最終日にPCR検査を受ける事
  • インドネシアのコロナ管理アプリPeduliLindungiにて、滞在地管理をすること
  • PeduliLindungiを通じて電子健康状態申告(eHAC)を行うこと

訪問ビザの取得

入国に際しインドネシアでの居住許可(ITAS,ITAP)を所持している長期滞在者は、特別なビザは必要ありません。
ITAS,ITAPを所持していない外国人は訪問ビザ(B211Aビザ)の取得が必要です。

B211Aビザとはビジネスビザ、ソシアルビザともいわれるビザで、60日間の滞在が許可されます。
また、60日間の有効期限が切れる前に延長手続きをすることにより、最長180日間の滞在ができます。

このビザは、入国管理局の認可を受けたインドネシア人のスポンサーにより取得申請がされ、申請が許可されるとEmailによってスポンサーを通じビザが支給されます。

ビザの取得を希望される方は、インドネシア国内のビザエージェントに依頼するのがよいでしょう。

ワクチン接種済みの証明

規定回数のワクチンを接種したことを証明する書類・俗にいうワクチンパスポートが必要です。

インドネシアではすでに接種済み証明(ワクチンパスポート)はオンラインで管理され、コロナ管理専用アプリPeduliLimdungiにて、接種証明ができるようになっています。
しかし日本はまだ接種済み証明のオンライン管理はできていないため、接種後地方自治体に申請し紙媒体での証明書を発行してもらうことになります。

PCR陰性証明

日本を出発する前72時間以内に検体採取したPCR検査陰性証明書が必要です。

この証明書は英文(日本語、英語併記)でなくてはいけません。
また、医師の署名と検査を行った医療機関の住所、機関名も必要です。
検査方法に規定はありませんが、インドネシアで一般的な咽頭ぬぐい式がよいとされています。

日本国内では多くの病院や検査機関でPCR検査が受けられますが、渡航に使用する場合は、英文での証明書が必要となります。
渡航用英文証明書が発行できる医療機関は限られていますので、事前に渡航用証明書の発行ができるかしっかりと確認しておきましょう。

入国時のPCR検査と8日間の隔離滞在

インドネシアに到着時に空港にてPCR検査を行います。
結果が陰性であった場合でも、到着空港近くの政府指定ホテルにて8日間(7泊8日)の隔離滞在を行い、その最終日に再度PCR検査を実施。
また、8日間の隔離が終了し、PCR検査が陰性であったとしても入国から14日間はホテル等での自主隔離が推奨されています。
万一PCR検査が陽性であった場合、指定病院にて入院治療となり、その費用はすべて自己負担となります。

8日間の隔離を行う指定ホテルは自身で予約しておく必要があります
各ホテルとも隔離用7泊8日パッケージ(宿泊と食事つき)を用意していますので、それを利用しましょう。
指定ホテルリストはこちらのサイトに掲載されています。
>>隔離ホテルリスト(在インドネシア日本大使館)

隔離ホテルを予約するとホテルから予約確認書とQRコードが送られてきます。
QRコードは入国時のセキュリティチェックにて使用しますので、スマホなどに保管しておくように。

入国からの2回のPCR検査並びに7泊8日の隔離滞在費用はすべて自己負担です。
滞在ホテルのランク(星の数)により費用の差はありますが、およそ5万円から10万円くらいの費用となります。

PeduliLindungiとeHACについて

PeduliLindungi

PeduliLindungiとは、コロナウィルス用一元管理アプリでスマートフォンにダウンロードして使用します。
インドネシアに滞在する外国人は全員このアプリの利用が推奨されています。

アプリをダウンロードし、各人の個人データーを登録します。
位置情報の管理も行っているので、インドネシア国内に滞在中は常にアプリにログインをしてください。

本来でしたら、ワクチンパスポート(接種証明)データーもこのアプリで管理するのですが、日本はまだ接種証明のオンライン化ができていないので、接種証明は紙媒体で行います。

ショッピングモールやスーパーマーケット、観光エリア、ビーチなどの入り口にQRコードがあり、このアプリで読み込みます。
施設内の人数やワクチン接種の状況により、入場可否がアプリで判断されます。

eHAC

eHAKとは電子健康状態申告のことでPeduliLinduingiアプリ内の機能です。
以前は別のアプリでしたが、現在はPeduliLindungiに統合されています。

国内外での飛行機や船舶移動の際、事前にeHAKに健康状態や移動の詳細等を入力しておくとQRコードが発行されます。
空港や港到着時に発行されたQRコードを専門のスキャナーで読み込み、上陸許可となります。

ジャカルタもしくはバリ島に到着した際も、このeHAK登録が必要になります。
飛行機搭乗前に、データ入力を済ませておきましょう。

PeduliLindungiのダウンロード、登録とeHAKの登録方法については以下の資料がわかりやすいです
>>eHAKマニュアル(ガルーダインドネシア航空)

バリ島内での行動について

バリ島内で行動する場合、健康プロトコルの順守などが求められます。

健康プロトコルの順守

  • 手洗い、うがい、マスクの着用の徹底
  • ソーシャルディスタンスを守り、人込みの中にはいかない
  • レストラン店内での飲食は可能だが30分以内(状況によっては1時間)の利用とする

外国人の中にマスク未着用者が多いので、特に外国人はマスク着用の徹底が求められています
マスク未着用の場合、最大で100万ルピア(約8,000円)の罰金、悪質な場合は国外退去となります。
(すでに国外退去となった外国人が何名もいます)

PeduliLindungiの利用

ショッピングモールやスーパーマーケットなどの大型店やビーチ、観光スポットなどでは入り口にQRコードが掲示してあり、これをPeduliLindungiアプリで読み込みます。
店内にいる人数やワクチン接種の状況により、アプリが入室の可否を判断。
レッドサインが出た場合は、その施設に入室できません。

日本人の場合、ワクチン接種証明(ワクチンパスポート)がオンライン化されていないためPeduliLimduingiに登録できません。
そのため、モール等に入店する場合はプリントしたワクチン接種証明書をセキュリティーに提示しなくてはいけません。
ワクチン接種証明書のコピーを財布などに入れて、常に携帯するようにしてください。

日本帰国時には

日本に帰国する場合も、PCR検査等を行う必要があります。

帰国前にはPCR検査を行う

日本政府は水際作戦の一環として、インドネシア出国前72時間以内に検体採取したPCR検査陰性証明書の提示を義務化しています。
有効なPCR陰性証明書が提示できない場合は、入国拒否となります。

提示するPCR陰性証明書は、日本政府が決めた書式に準じていることが必要です。
また、検査方法も、咽頭ぬぐい方式か唾液採取方式しか認められておりません。
そのため、日本人になれていない病院や検査機関で発行された陰性証明書が、帰国時に有効でないと判定され帰国できなかったという事例もあります。

PCR検査を行うにはサヌールのマンダラ病院が一番おすすめです。
多くの帰国日本人がここでPCR検査を受けているので、受付時に「日本帰国用」と申請すれば、日本政府の求める仕様に合った証明書を発行してくれます。

空港ではPCR陰性証明書とワクチンパスポートが必要

帰国時の空港では、PCR陰性証明書並びにワクチン接種証明書の提示が必要です。

この両証明書は、空港の入り口はもちろん、飛行機のチェックインカウンターや手荷物検査場など多くの場所で確認されますので、パスポートと合わせてすぐに取り出せるようにしておきましょう。

帰国後は14日間の自主隔離

インドネシアからの帰国者に対する強制隔離は解除されましたが、帰国後14日間の自主隔離はまだ行う必要があります。

帰国空港にてPCR検査とアプリダウンロード

日本の空港に到着したら、すぐにPCR陰性証明書の確認と再度PCR検査が行われます。
PCR検査を行っている間に、自主隔離用に使用するMySOSアプリとコロナ感染者接触確認アプリCocoaのダウンロードを行います。
また、アプリの使用方法などの説明もあります。

※MySOSアプリとCocoaアプリを使用するにはスマートフォンが必要です。
かならずアプリがダウンロードで切るスマートフォン(iPhoe,Androidどちらも利用可能)をご用意いただきます。
スマートフォンをお持ちでない方は空港にてレンタルしていただきます。

PCR検査の結果が出るまで2時間以上かかります。

自主隔離中は公共交通機関の利用はできません

帰国後14日間の自主隔離中は公共交通機関は使えません。

そのため、空港から帰宅するには、自家用車で迎えに来てもらうか、レンタカーを借りるか、コロナ対策のしてあるハイヤーを使います。
もし、そのような移動方法が用意できない場合は、空港近くのホテルで自主隔離を行います。

空港からは無料の周回バスが出ています。
空港近くのホテルや隔離滞在場所にはそれで移動ができます。

自主隔離中は不要不急の外出は控えます

自主隔離中は、不要不急の外出は避け、なるべく待機場所から外出しないようにします。
もちろん、会社に出社することはできませんし、集会や会議など人が集まる場所に行くこともできません。

散歩や必要品の買い物はできますが、これも人込みを避け、飲食店では店内での飲食はできません。

自主隔離中は毎日複数回アプリMySOSを使い健康状態と滞在場所報告をしなくてはいけません。

自主隔離を短縮するには

自主隔離は14日間ですが、規定回数のワクチン接種が済んでおり、PCR陰性証明書が提出できる方は自主隔離期間が10日間になります。